こんにちは。
最近は「毒親」という言葉が定着し、親子関係に悩んでいる人が多いということが表に出てきたと思います。
私もその1人。小さい頃から親の考え方や態度に違和感があり、大人になっても親に対するわだかまりが残っています。
もういい大人なんだから、そんなこと忘れて、切り替えて生きていけたら良いんですけど、ふとした時にそのわだかまりを思い出して、辛くなることも。
やっぱり思い出すんよな
そんな時にこの本を読みました。
タイトル 「精神科医が教える 親を憎むのをやめる方法」
著者 益田裕介氏
出版社 株式会社KADOKAWA
出版年 2023年
ページ数 240ページ
著者の益田裕介さんは、精神科医で早稲田メンタルクリニックの院長。
登録者数35万人超えのYouTube チャンネル「精神科医がこころの病気を解説するCh」を運営されています。
- 親子関係に悩んでいて、精神科でその悩みをどう扱うのかについて知りたい人
- 親子関係の悩みから抜け出すための、具体的で実際的な方法を知りたい人
この本のポイント3つ
起こっていたことを客観的にとらえ直す
親子関係に悩んでいる人は、自分が親にされたことにばかり目が向きがち。
親のこれまでの経歴や親が抱えていた問題などについては意外と知らない人が多い。
親のことを知り、親子関係で起こっていたことを客観的にとらえ直すことが、自分の救いになる。
精神科では、「主観→客観→主観2.0」という治療経過をたどる。
自分だけで親子関係の悩みを抱え込み、考え方に偏りが出ている人が、医師との対話を続けていくなかで、客観的な内容(親子関係の事実や背景)を知り、以前の考え方が前向きなもの、社会適応的なものに変わっていく。
親が発達障害的な特性を持っていたかもと考える
親が抱えていた問題はさまざまだが、特に、発達障害的な特性を持っていたかもという考え方が重要。
生まれつきの、脳機能の発達の偏りによる障害。
自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の3種類がある。
自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性・・・対人関係の困難さ、限定された行動や興味など。
注意欠如・多動性障害(ADHD)の特性は・・・不注意、多動性、衝動性など。
学習障害(LD)の特性は・・・「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難が生じること。
実際にはどれか1つだけの特性が出るのではなく、合併していることが多い。
発達障害的な特性がある親は、感情的になりやすい、子どもの気持ちに寄り添えない、自己中心的になりやすいなどの理由で、「毒親」になりやすい。
子どもは、親にひどい対応をされるたびに、混乱したり自分を責めたりするようになり、その結果「カサンドラ症候群」となりやすい。
発達障害的な特性のあるパートナーや家族を持つ人の不安障害や抑うつ状態といった症状のこと。
親を理解した後、どんな道を選ぶか
精神科での治療経過を順調にたどり、少しずつ考え方が変わってきた後、親子関係についてどんな行動をとるのかは自分で決めていく。
- 法的に絶縁することはできないけれど、住所などを知らせないで事実上の絶縁状態にする
- 親を訴えることで遠ざける。過干渉な親から逃れるために、裁判を起こす
- 親の特性を受け入れ、ある程度の距離を保ちながら付き合いを続ける→和解
親の状態によって子どもがとれる行動も変わってくるが、多くの人が和解の道を選ぶことで、精神的に楽になっている。
感想
普段、対人援助職として働いていることもあり、親に発達障害の特性があるかもという考え方は以前から持っていたので、本の内容はすんなりと入ってきました。
その考え方を取り入れることで、親を客観的に見ることができて、確かに、親に対するわだかまりは小さくなりました。親を良い意味で諦めたというか。
でも、「自己中心的で子どもを振り回すような親の元に生まれたくなかった」とか、「この親でなければ、私の人生はもっと明るく、生きやすかったのに」という思いはなくなりません。
少し疲れた時とか、けっこうな頻度でよぎるんよな
このことについても、本に書かれていました。
それ(深く恨み続けるエネルギーと時間を自分のために使うこと)ができないということは、変化を受け入れられない「ひっかかり」が、本人の中にあるということ。これが「治っていない」ということです。自分の行動を「自分で決める」ことができていない、とも言い換えられます。
この縛りを超え、自ら道を選べるようになること。それで少々間違っても、また自分で考え直し、調整し直していける力を持つこと。それが患者さんや、親子関係に悩む方が目指すべき未来です。
「精神科医が教える 親を憎むのをやめる方法」より
今振り返ってみると、10代、20代の頃は親子関係の悩みが大きくて、そこで立ち止まってうずくまっていたような気がします。
自分のしたいこと、興味のあることに積極的に取り組むような感じではなかった。人間関係の幅を広げたり、どこか遠くへ出かけてみたり、その頃にしかできない経験もあっただろうけど・・・
でも、社会人として、主婦として、何とかやってこれたのだから、良しとしようか。
健康寿命(女性は約75歳)の折り返し地点を過ぎたところだし、これからは、なるべく自分が楽しくなるようなことに目を向けて過ごしていきたいと思いました。
他のおすすめ本
親が発達障害かもという同様の考え方について書かれています。この本の著者も精神科医。
この本で家族代行業のことを知りました。親を完全には捨てきれないけど、もう今後の人生には関わってほしくないと思ったら、こういう方法もあるんだなと思いました。
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